強烈に悲しい歌詞で終わる曲 – The HIATUS「Twisted Maple Trees」

皆さんiPod classicを覚えていますか?

僕は今でもこの形を見るだけでワクワクしてしまうほど大好きです。

iPhoneを使うようになってからも容量の問題などで、しばらくはiPodを利用していました。1万曲以上が入っていたので、当時のiPhoneの容量(32GB)では持たなかったからです。

そして最後壊れてしまう時まで6年以上使っていました。

そんな僕の1万曲以上入れてあった6年物iPodの再生回数ランキングの1位だったのが「The HIATUS」の「Twisted Maple Trees」という曲です。

抑えられた演奏が徐々に解放されていき、ラストで大爆発する問答無用でグッとくる展開の曲です。

ギターのリフ(イントロからずっと鳴ってるギターの音です)がキレイで神秘的で心底好きです。このイントロを聴いてしまうと、もうこの曲をスキップすることはできなくなってしまいます。

(2012年のライブでオーケストラと共に披露されたバージョンもたまらなく素晴らしいので必ず聴いてください。LIVEDVDもでています。)

 

目次

 切なく美しい歌詞 ~サビ前まで~

そしてボーカル細美武士が歌う静かなメロディーが入ってくるんですが、その歌詞が素晴らしいです。1番のサビ前までの和訳を載せます。

僕の頭の中で

僕らはどこへ行くんだろう?

君は裸足の僕の2歩先を歩いている

 

ねじれた楓の木々の間から

暗い空が見えていて

なぜだか僕は

きみが振り返らないことを祈っている

 とても抽象的な歌詞だけれど、

「裸足の僕」

「2歩先」

「捻れた楓の木々」

「君が振り返らないことを祈っている」

これらの言葉のせいでしょうか、ヒシヒシと切なさが伝わってきます。

また、この曲のタイトルも歌詞も何も知らない友人にこの曲を聞かせたら「夜に森の中を歩いてるイメージがする」と言っていて驚いたことを思い出します。

ギターの音と歌のメロディーが歌詞の世界と完全にシンクロしている曲なんでしょうね。

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(楓の木の画像を探してみました)

 切なく美しい歌詞 ~サビを飛ばして2番へ~

次はサビを飛ばして2番の歌詞の和訳です。

というのもここのサビとラストのサビは同じ歌詞なので、ここで和訳を書いてしまうとこの記事のメインが終わってしまうんですよ。

それでは2番の歌詞です。

君が顔を曇らせて ぼそっとつぶやく

「違う色のドレスにすれば良かったかな」

この和訳すると2行で足りてしまう短い歌詞。ここが本当に見事で大好きです。

聴いた瞬間に自分の至らなさや、性格の悪さで、人を(特に女の子を)傷つけてしまった時の感覚がブワッと蘇ってきます。

「違う色のドレスにすれば良かったかな」と彼女が呟いたということは、「そのドレスの色が気に入らない」と内心思っていることが伝わってしまったということです。

これは自分がとった態度や行動で、相手に「私はダメな人間だ」思わせてしまい傷つけてしまうことの比喩だと僕は思います。

昔よんだ本の中で村上春樹が「人に傷つけられた思い出より、人を傷つけてしまった思い出の方が人間は忘れずらく、苦しむ」と言っていて、すごく納得したことを思い出します。誰かを傷つけてしまった時って本当にしんどいでいですよね。

またこの歌詞の比喩表現が「ドレス」だったので、女の人がワクワクしながら一生懸命に選んだであろうものを「違うのにすれば良かったかな」とその気持ちすら踏みにじってしまった情景が浮かんできます。

 

 切なく美しい歌詞 ~サビ~

それではいよいよサビの和訳です。

悲しさと後悔の塊の歌詞で、強烈に寂しい言葉で終わっていきます。

君は大丈夫だよ

間違ってるのは僕だ

いつも僕の側の問題なんだ

僕はもうおしまいだ

やっちゃった

君は僕を許せない

最初にも書いた通り、メロディーやサウンドがどんどん盛り上がって行く壮大な曲で、どんどん気持ちよくなっていくのだけれど、最後、この曲1番の盛り上がりどころでこんなに寂しいことが歌われていることに衝撃をうけた。

詩というのは比喩表現だったり抽象的な感覚を自分なりに理解したり感じたりして、楽しむものだと思うんだけど、ここまで切ない歌詞を書かれると、細美さんの人生に何があったのか聞きたくて仕方がなくなる。なりますよね?

でもそれは不可能なんです。

なぜなら、ロッキンオンジャパンの細美さんインタビューで山崎洋一郎さんが、

「細美くんの歌詞とか行動をみていると、この人はなにか強烈な傷を抱えているっていうのが伝わってくるんだけど。」

と質問していたんだけど、細美さんの返事が、

「ありますよ。その傷になった出来事を説明するのも簡単なんだけど、相手がいることだし自分側の意見になっちゃうからメディアで言うことはないです。」

とあっさり断っていたので、そのことを聞くのは不可能みたいです。

 

余計気になるー!

 

でも仕方がないので、歌詞本来の楽しみ方である、音楽との融合でその詩から自分が感じる感覚を楽しみましょう。

一人の男が「君は僕を許せない」とまで感じてしまっている後悔や罪の意識を、「捻れた楓の木々」というタイトルで歌っているこの曲をあなたがどう感じるのか話をしたくて仕方がないです。

 

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