「道具を揃えたり、効率的なやり方を調べりして、形からしっかり入ったけど結局長続きしなかった」って経験何にしろよくありません?
僕はしょっちゅうです。週7です。
その一方で、僕のまわりで仕事ができる人だったり、趣味のスポーツや楽器、筋トレやダイエットでも成果を出すタイプの人って、だいたい「道具や方法にこだわらない」タイプの人がすごく多いです。
道具や効率的なやり方にこだわわったあげく、結局やり切れないで終わるタイプの僕は、いつもその人達を「すごいなぁ」って思ってみてたんですけど、『ストレッチ 少ないリソースで思わぬ成果を出す方法』っていう本を読んで、その理由がすごくふに落ちるようになりました。
「制約」と「選択肢の数」の違い
人って「制約」があった方が力が発揮されやすいんですよね。
例えばブログだったら、ダラダラと書くよりも「1日1時間しか書けない」と決めた方が集中力が上がって記事を書きやすくなったりします。
そして「選択肢の数」は少ない方が、これまた力が発揮されやすいんですよ。
「選択肢が多い方が人は不幸になりやすい」ってデータもあるほどで、色々と選べちゃうとどうしても迷いが生まれちゃうんですよね。
その「制約」を受け入れて、「選択肢を減らす」って作業を自動的にできちゃってるタイプの人が、前述した僕のまわりにいる仕事ができたり、趣味がどんどん上達していく系の人たちです。
この本の中では「ストレッチャー」と呼ばれています。
反対に「制約」を減らそうとして、選択肢を増やしていくことが準備万端だと考えている僕みたいな形から入るタイプ、これを「チェイサー」と読んでいます。
『ストレッチャー』と『チェイサー』の違い
「ストレッチャー」は「今ある物でなんとかしよう」という考え方の人。
例えば、出ている釘を打ちたいときにカナヅチがなかったなら、「そこらへんの石なんかで代用しちゃえばいいや」って考えれる人です。
「チェイサー」は、「今ある物では足りない。もっと用意をしなければ」と考えてしまうタイプの人です。
カナヅチがない状態で、出ている釘を見つけてしまったら、Amazonでもっとも安くて使いやすいカナヅチを探し始めたりしてしまうでしょう。
『残酷すぎる成功法則』や『やり抜く人の9つの習慣』などの超名著を始め、全てのビジネス書・自己啓発書などでほぼ一貫して成功する・成果を出すために最も必要として書かれている、
「行動しろ」
という1番の基本であり、シンプルながら1番の人が成果を出すための方法を、『チェイサー思考』だと起こし辛くなってしまうので、ストレッチャー思考に変えていきたいところです。
ストレッチャー思考にするには
これはこの本に限らず、自分を変えたいときにやれることは、
1・本を読んで、そっちの方向に自分を変えた方が、どれだけ人生が楽になるのかを、心から納得する
2・納得したら、普段の生活の中で「あっ今の考えチェイサー思考だった!」と悪いクセに気づく場面を増やして、そのたびに「ストレッチャーだったらきっとこう考えるな」と思い直すこと
というのを地道にやっていくしかないんですよねぇ。
めんどくさいけど、実体験として本当にこれしかない気がします。あとはたまにその本を読み返して、自分を変えたらどんな得があるかを再確認するとかですね。
1番面白かったストレッチの事例
行動が大事という点と、あるものでなんとかできるという点の事例として、僕がこの『ストレッチ』という本の中で1番好きな話があります。
それはハンガリーの兵士の一団が、アルプスの山中で行方不明になってしまった話です。
極寒のアルプスで奇跡の生還をした方法
兵士の一団が偵察任務中に、アルプスで行方不明になり、上官は部下立ちを死地に送ってしまったのではないかと心を痛めていました。
しかし、寒さと雪のせいで無事に帰還するのは難しいと思われていた中、3日目に兵士達が奇跡的に無事に帰還します。
驚いた上官がどうやって帰ってきたのか尋ねると、一人の兵士が「ポケットの中にあった地図を頼りに帰ってきた」と言います。
しかし上官はその地図を見て驚きます。
それはアルプスではなくピレネー山脈の地図だったのです。
目安があれば人は行動できる
この素敵な話から、経営学者のカール・ワイクは、方向感覚を失った時は、「どんな古い地図でも役に立つと」結論づけているようです。
これはすごく普段の生活にも使える教訓だな、と感じました。
とにかくピンチを脱するのは行動です。
そして明確な目標なんてなくても、自分が進んだ方向やスタート地点からの距離がわかる目安程度のものさえあれば行動はずっとしやすくなる。
熱い情熱や、理想なんてもってなくてもいいから、間違った地図でもとにかく行動しようという教訓話として、大好きな話でした。
ストレッチャーとチェイサーの思考例を試してみた
例えば、これから動画編集をしている人・したいと思っている人がいたとして、チェイサーの考えだと、「スペックの高いパソコンが欲しい」と考えるだろう。
きっと僕も考えてしまうと思う。(動画編集はスペックの高さで快適度がすごく変わります)
そこでヒカキンさんが公開していた『Mac Pro』というApple史上最高のスペックを持ったPCを800万円で購入した動画でストレッチャーとチェイサーの思考を僕なりに試してみました。
この化物みたいなスペックのパソコンと、元からもっていたパソコンで25分ぐらいの動画を書き出して、完了するまでの速度を比較したというもの。結果は8分短縮することができていました。
しかしヒカキンさんが使っている元のパソコンもハイスペックなものだったので、僕が使っているような2015年製の普通のMacBook Proと比べると30分くらい短縮になるはず。
ここでチェイサー思考ならば、
・僕もあんなにスムーズに動画編集できるPCがあればもっと動画作るのにな
・スペックが高いPCがないから動画編集やる気にならない
・すごい人がすごい道具で更にすごくなってくなら勝てないか…
となってしまいます。僕はチェイサー思考が強めなので、リアルにこうなると思いました。
しかしこれを一旦忘れて、ストレッチャー思考的に考えてみると、
・書き出している間に次回の動画の準備をしよう
・書き出す時間は読書をする時間にあてよう
・書き出し中の30分は筋トレをするという習慣を身につけよう
と捉えることができて、単純に高価なパソコンを買わなくて出費を抑えられるということだけでなく、むしろ書き出す時間を自分にとっての有意義な時間に変更できました。
むしろ書き出す時間が楽しみになるほどですよね。
(もちろんヒカキンさんぐらい一線でハードに仕事をするひとならば、数分でも削れる恩恵は大きいんだろうし、動画ネタとして購入しているというのはあるけれど)
つまり絶対的に言えることは、自分が今持っている時間や道具や能力に対して、「あれが足りないこれも足りない」と考えるよりも、今あるもので何をするかを考える方が効果があるし、むしろそちらの方がいい成果を出すことも多いということ。
これってすごく嬉しい真実ですよね。
「リソースがあればあるほど有利」って面ももちろんあるけれど、それだけじゃやっぱり、生まれが良かったり、才能をたっぷり持ってる人だけが勝つ世界で面白くない。
しかし、彼らは逆に色んなものをたっぷり持ってるせいで、自分で自分に「制約」をかすのがすごく難しいと思う。
その点、大した才能もお金も何もない僕らは、「制約 」という最強の武器をいとも簡単に作れるので、自分で作った制約でも、仕方なくできてしまった制約でも、楽しんで活用していきたい。
とりあえず僕は、「人に自慢できるような特技も経歴もない」という制約の中で、自分の書けることだけをブログに書いていきたいと思っています。
【一言メモ】
新しいMacBook Proのフルスペックめっちゃ欲しい。ヒカキン金貸してくんないかな。
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