ラッパーのRYKEY(リッキー)さんが2019年3月26日のインスタライブで、再びBADHOP、主にYZERR(ワイザー)さんへのディスをぶちまけました。
ディスの内容は「YZERRの『Back Stage』という曲は、Marshmelloの『Project Dreams』のパクリだ!」というものです。
「洋楽をパクって、HIPHOPを知らない人たちを騙して稼いでいる!」と激怒していました。(HIPHOPの世界怖い)
【追記:今回のディスから感じたRYKEYさんの怖さについてもまとめました。】
YZERRの曲はパクリなのか?2つの曲を聴き比べる。
まずは、その問題になっているYZERRさんのソロ曲『Back Stage』と、「この曲のパクりだ!」とRYKEYさんが訴える、Marshmello&Roddy Ricchの『Project Dreams』を聴き比べて見ましょう。
↓こちらがYZERRさんの『Back Stage』。
そして「YZERRがパクった!」とRYKEYさんが訴える『Project Dreams』という曲がこちら↓
どう感じましたか?
似ている似てないの感覚って人それぞれなですが、きっと多くの人が「似ている」と感じると思います。
出だしの雰囲気や、曲調、特にフック(サビ)の部分が似ていますね。
しかし、似ていることは似ているんですが、個人的には「パクリ」と言うほどではない、と感じました。
そんなに騒がなくてもいいんじゃないかなぁと僕が感じた理由は、以下の2つです。
【理由1】相手が格上の有名アーティストだから
まず1つ目は、相手が世界で大ブレイク中のアーティストだからです。
超人気DJ・Marshmello(マシュメロ)
『Project Dreams』を作ったMarshmello(マシュメロ)は、今世界でトップクラスに注目されるDJです。
マシュマロの覆面を被り、顔がわからないところも謎を呼び注目されていて、人気曲『Alone』のyoutube再生回数は、12億回を超えています。
超話題の新人ラッパー・Roddy Ricch
『Project Dreams』dラップをしているRoddy Ricch(ロディ・リッチ)も、今めちゃくちゃ注目されている新人ラッパーです。まだ20歳。
YouTube再生回数は、ほとんどの曲が1000万回を楽々超えていて、5000万回を超える曲もあります。
何曲か聞いてみると、YZERRさんやBADHOPが彼からも影響を受けているのがわかると思います。
とにかく、2人ともモノすごく売れているアーティストです。
もしもYZERRさんに、「曲をパクる」という意識があったのなら、こんなに有名なアーティストからはやらないと思います。すぐにバレるので。
そして、もしも似た曲になってしまった場合も、自分よりも何倍も有名なアーティストの世間に知れ渡っている曲ならば、全然ありだと思います。
しかし逆に、売れている人が自分より売れていない人の曲に似ているような曲を作った場合は、少し話は別です。
なぜなら、後から影響を受けて作った売れている人の曲は簡単に世間に聞かれてしまうため、世間では「完全オリジナル」なイメージで広がってしまい、売れてない人が可哀想すぎるからです。
有名な例ではレディオヘッドの超名曲『creep』と、ザ・ホリーズの『The Air That I Breathe』があります。
『Back Stage』と『Project Dreams』どころじゃない似方の2つの曲ですが、後に発表されたレディオヘッドの『creep』は90年代を代表するような名曲になってしまったので、1973年から作っていたホリーズからしたら、たまったもんじゃありません。
現に、これにはホリーズのメンバーが著作権侵害で訴えを起こし、後にレディオヘッド側がホリーズに共同作曲者として印税を与えることで和解します。
ここで思うのは、今回の『Back Stage』と『Project Dreams』のように、先に発表されたホリーズの『The Air That I Breathe』が、大ヒットした名曲になっていたのなら、レディオヘッドが『creep』を発表した時も、世間の反応は「あぁ、あの曲に影響受けたのね」で済んでいたと思います。
つまり、バカ売れしている曲に似てしまうことは「影響」、自分よりも売れていない曲に似てしまうと「パクリ」となってきてしまうと僕は考えています。
【理由2】もっと似ている曲が死ぬほどあるから
前述した『creep』の件もそうなんですけど、YZERRさんとRoddy Ricchのラップよりも数段似ている曲なんて、世界中にいくらでもあります。
あげたらキリがないので、YouTubeのまとめなどを観てもらいたいんですが、歴史に残る名曲でさえ、過去の作品とかなり似ているものがたくさんあります。
モーツァルトもパクリの天才
あの天才と呼ばれるモーツァルトも「人の曲をパクるのがめちゃくちゃうまかった」と言われていて、良い曲を見つけるとそれに似た曲をすぐに作っていたらしいです。
元の曲よりも素晴らしくしてくるので、誰も文句を言えなかったらしいですけど。
真似するのは悪いことではない
また、「イギリスの第二の国歌」と呼ばれるほどのoasisの名曲『ドント・ルック・バック・イン・アンガー』も作曲者のノエル・ギャラガー本人が「ビートルズのレット・イット・ビーのコード進行をパクっただけ」と発言しています。
そんなことから、曲が似ているかどうかに潔癖になりすぎない方が、名曲が生まれやすく、音楽を聞く側も作る側も楽しめそうな気がするんですよね。
もちろん、完璧なパクリはダメですけど。
YZERRとRYKEYのビーフ騒動まとめ
音楽って「影響を受けた」と「パクった」のさかい目が本当にわかりずらいです。
HIPHOPはサンプリングやビートジャックなどの、既存の曲を使った手法があるので特に。
似ている似ていないは聞く人の主観になってきますし、前述した通り、アーティスト同士の売れ具合も問題の引き金になります。
そんな複雑で難しいパクリ問題を、あえて一言でまとめると、
「似た曲を作られた側が文句無いなら別にいいんじゃない?」
という結論に僕はなりました。
だってYZERRさんの『Back Stage』も『Project Dreams』もどっちもめちゃくちゃ良い曲で好きですもん。
好きな曲は多ければ多いほど良いので、僕的には似ていようがいまいがどっちでも構わないです。
【今回のリッキーさんとワイザーさんいついて僕の視点からまとめたので、こちらも良かったら読んでください↓。】
【おまけ】
ただ、RYKEYさんの気持ちも少しわかります。
洋楽で最高な曲があって、それに影響を受けた日本人の人気あるアーティストが、テイストの似た曲を発表する。
すると、その音楽の元である洋楽アーティスト全無視で、日本人アーティストのみにキャーキャー騒いでいるファンを見ると、なんか納得いかない気がしてしまう時が僕もあるからです。
別にみんなが元の音源をリスペクトする必要なんてないんで、こっちのわがままなんですけどね。
コメントを待ってます!