こんにちは。ピエ平です。
手塚治虫が病院で死の直前まで書き綴っていた日記の中に書いてあったアイディアからインスパイアされた物語『トイレのピエタ』。
この映画はRADWIMPSの野田洋次郎初主演作品となり、この作品で野田洋次郎が日本アカデミー賞の新人賞を獲得して話題になっている。
「今日素晴らしいアイデアを思いついた! トイレのピエタというのはどうだろう。癌の宣告を受けた患者が、何一つやれないままに死んでいくのはばかげていると、入院室のトイレに天井画を描きだすのだ……(中略)浄化と昇天。これがこの死にかけた人間の、世界への挑戦だったのだ!」出典
すでに観た人なら野田洋次郎が新人賞を獲得したことに納得するんじゃないかと思う。
素晴らしい演技だった。
なぜミュージシャンである彼がこれほど素晴らしい演技ができて、アカデミー賞まで受賞できたのか、その理由を解説する。
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園田宏役は野田洋次郎しかいない
「あのRADWIMPSの野田洋次郎が映画初主演!」という言葉に、きっとRADWIMPSを詳しくしらない人は「バンドマンが映画やんだー。できんの?」ぐらいのイメージをもってしまうかもしれないが、RADWIMPSのファンなら「普通のバンドマンならともかく野田洋次郎なら演技すごそう」と考えたと思う。つまりRADWIMPSの大ファンのぼくは多いに期待して『トイレのピエタ』を見た。
思った以上に野田洋次郎はすごかった。
そもそも主人公、園田宏に野田洋次郎はぴったりだった。
園田宏に野田洋次郎がキャスティングされた時点で、野田洋次郎がアカデミー賞を受賞することは決まっていたと思うぐらい。
少しひねくれた天才肌の芸術家役って、もうそのまんま洋次郎じゃん
主人公の園田は才能ある絵描きだったが、絵に興味を無くし、無気力にフリーターとして生きている。人にあまり心を開かず、冷めた目で世界を見ている。
野田洋次郎本人も言っていたが、音楽をやっていなかったら、彼は本当にこの園田のような人生を送っていたんじゃないかと思ってしまうほど。
つまり園田という人物と野田洋次郎の人間性に近いものがあるから、演技力もそこまで必要なかったというのが理由の一つだと思う。
簡単に言ってしまうと、「ハマり役だった」ということ。
豪華な俳優陣に引っ張りあげられた
杉咲花、リリーフランキー、大竹しのぶ、宮沢りえ、こんなに豪華な俳優陣に囲まれて演技していたら、「実力以上のもの出ちゃうよ!!」と叫びたくなっただろう。
とくに映画中、出会ったばかりの園田が余命宣告される場面にいあわせたのに、別に驚かず、「今から一緒に死んじゃおっか?」と明るい声でかたりかける女子校生「宮田真衣」役を演じる、杉崎花の演技には、シェゲ平アカデミー賞を送りたいほどだった。
彼女たちの演技がこの映画の凄みを圧倒的なものにしていて、初心者俳優の野田洋次郎にも力を与えたんじゃないかと考える。
野田洋次郎の死生観の深さ
RADWIMPSの楽曲を聴いていると、野田洋次郎が書く詩の深さに度肝を抜かれる。
RADWIMPSにどっぷりハマってしまう人たちは僕も含めて、野田洋次郎が書く歌詞の魅力にやられてしまうんだと思う。
野田洋次郎の書く詩では、生と死についてがとても多く語られる。
手塚治虫が死の淵で思いついたアイディアをもとに作られた、死生観に溢れた内容の『トイレのピエタ』と「生きること・死ぬこと」についてとても深く考え抜いて独特の死生観をもつ野田洋次郎の何か波長のようなものがマッチして、化学反応を起こして画面を通して不思議な魅力が吹き出した。
それが野田洋次郎の演技にオーラを与えた。
そのオーラにアカデミーの審査員たちもやられてしまったんだろう。
まとめ
野田洋次郎が日本アカデミー賞の新人賞を受賞できた理由を大きくまとめると、
・『トイレのピエタ』という映画と『園田宏』という役にビタっとハマったから
・共演者たちの凄さで実力を上に押し上げられたから
・そもそも野田洋次郎という人間の魅力がハンパないから
この3つです。
すんごい魅力をもった男が、すんごい映画で、すんごい俳優たちに囲まれて、すんごいハマり役をやったからってことですね。
アカデミー新人賞おめでとうございます。
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