映画や音楽は思った以上に精神状態に影響を与えてくる。
現に、先日『灼熱の魂』というとんでもない映画を観てから2、3日は「とんでもねぇー」とボーっする時間が増えていた。
元気な状態で観ても、そんな風に引きずらせてしまう力が映画にはあるので、気持ちが病み気味の時に、更に精神にダメージを与えてくる映画は観ない方がいいと思う。
そこで気持ちを沈めてくる、いわゆる「鬱(うつ)映画」の中から、僕にとって特に影響力が高かった作品を3本をまとめたので、元気がない時には観ないように気を付けてください。
ただし、どれも内容は素晴らしいのにあまり有名ではないものから厳選したので、精神状態が良く元気な時にはぜひ観てほしいです。
メランコリア
『ダンサー・イン・ザ・ダーク』という観ていて辛い映画の代名詞のような作品で一躍有名となった監督の作品です。
鬱病というタイトルで、主人公が鬱病で、監督のラース・フォントリアーさん自身も鬱病を患っているというのがこの映画。
キルスティン・ダンスト演じるジャスティンの、自分の結婚パーティを含め全ての空気をぶち壊してしまうクレイジーな超絶変わり者っぷりと、巨大惑星がぶつかって地球が滅亡するんじゃないか、とゆう絶望的な空気が合わさって、観ていると気持ちが病んでくる。
しかし、そんなとても暗いトーンの映画だけど、ストーリーの面白さと、映像の美しさで「もう一度観たい」と思わされてしまう、すごい映画。
観終わってから何年たっても劇中の色々なシーン(特にラスト)がふと頭に蘇ってしまう。つまり名作。
なので、映画に気持ちが引っ張られてしまいそうな、気が弱っている時には絶対に観ない方が良い映画だ。
鳥肌ポイント
・予告動画の42秒に出てくる、ハリガネで作った巨大惑星との距離を測る道具のくだり。
・ラストシーン。
アナザープラネット
ある日突然、宇宙に地球と全く同じ見た目の惑星が出現し、世界中が注目する人類史上最大級の話題になる。
そして、その惑星は今の地球と同じ人間達が住む「もう一つの地球」だと判明する、という話の映画。
ここだけのあらすじを聞くとワクワクするようなSF映画をイメージするかもしれないけど、実際は全く違う。
この物語のメインはもう一つの地球ではない。
もう一つの地球が空に現れたことを車の運転中に見つけてしまい、気を取られて事故を起こし、妊婦と幼い子供を死なせてしまったローダという17歳の女性の償いの話だ。
「もう一つの地球が現れる」という面白くてワクワクする設定が、「その惑星を見ていたせいで事故を起こし人を殺めてしまった女性の話」という悲しくて辛い話になっているのが斬新。
ローズは事故の罪で服役し、出所後、謝罪のために被害者家族のジョンに会いに行くが、思わず身分を偽ってしまい、ジョンと交流を深めていく。
そして、ジョンに償いたいと思ったローズは、「もう一つの地球」にジョンの家族が生きている可能性を信じて、惑星に向かうメンバーに応募し、選ばれるが…
観ていて胸が痛くなる映画だけど、結末で受ける衝撃を味わって欲しいです。
元気な時限定ですけれど。
鳥肌ポイント
・とにかく話し合いたくなる衝撃のラストシーン
アフターショック
『ホステル』の監督の映画なので、グロいことは見る前から想像できていたんだけど、それ以上に内容がトラウマ級に怖くて暗い。
『ホステル』よりずっと観ていて辛かった。
海外旅行でチリに来ていたアメリカ人の青年達が、街が破壊されてしまうほどの大地震に巻き込まれる。
さらに最悪なことに、地震の影響で崩壊した刑務所から大量の殺人犯たちが抜け出し、街で暴れまわっている。
言葉もあまり通じないし、土地勘もない外国の地で大災害にあってしまうというだけでも、めちゃくちゃ怖い最悪な状況。。
それに加えて、人を殺すことも犯すことも全くためらわない犯罪者達が溢れかえっているのに、警察も病院も機能しない状態。。。
もうこの状況だけで怖すぎて見るのを途中でやめたくなった鬱映画。
救いなんか一切ない絶望バイオレンスの中でもトップレベルの作品なので、心身ともに健康な時には是非観て欲しい。
そうじゃないときには、絶対に観ちゃダメです。
鳥肌ポイント
・地震前のロープウェイでの会話..
・ある人物の最後の勇気
・最後の最後まで観ている人を苦しめるストーリー
最後に
グロかったり、怖かったりするだけの映画なら、ヒヤヒヤする代わりにスカッとするところもあり、逆にストレス発散になったりもすると思います。
「ゲット・アウト」なんかもまさにそういう映画で最高でした。
だけど、ジリジリと首を締め付けられるように苦しくさせてくる内容の映画は、気持ちが蝕まれていくので、気持ちに余裕がある時だけ鑑賞して楽みましょう。
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