去年、『BUMP OF CHICKEN』のベース担当、チャマこと直井由文さんの不倫問題が話題になった。
この報道を受けてバンプファン達の意見をネットで見ると、
「もうBUMPの曲聞けなくなった」
「大事な曲達との思い出をチャマが台無しにした」
という、BUMP OF CHICKENの曲に救われていたからこその、激しい怒りや失望の声が相当数見られた。
もちろん「チャマいないの寂しい」「メンバーの不倫と音楽は別問題」という意見も多数あるけれど、熱心なファンが多いバンドの特性から、厳しいコメントが圧倒的に多い。
僕も20年ぐらいBUMPのファンなので、この報道には、驚きました。
ボーカル藤原基央さんの結婚報告に続いてだったので、余計に。
しかし驚いた後に、ぼくが感じたのは「めちゃくちゃワクワクする」ということです。めっちゃ不謹慎ですが。
不倫から1番遠い存在のバンドだった
というのも、BUMPファンの方ならわかると思いますが、BUMP OF CHICKENは不倫などの俗世間的な話題から一番遠い、とにかく聖人達としか思えないバンドだからです。
彼らのLiveやラジオ、更に雑誌のインタビューを読んでいると、もう何十年も一緒にいるメンバー全員が、いつの時代も、ずーっとそれぞれを心から大切にしていることが手に取るようにわかります。
学生時代から一緒に過ごしてきて、それぞれがお互いのことを真剣に考えて、なんとなくではなく、心に決めて一緒にいたからこそ、40歳になってもお互いのことが大好きな、こんなに美しい4人組になったんだと思うと、本当に奇跡的なメンバーでできたバンドなんだなと心から感じます。
一緒に生きてる事は 当たり前じゃない
別々の呼吸を 懸命に読み合って ここまで来たんだよ「セントエルモの火」- BUMP OF CHICKEN
ぼくらを結ぶリボンは ほどけない訳じゃない
結んできたんだ
「リボン」 – BUMP OF CHICKEN
「もし僕がこの人達と一緒にいたら、真っ直ぐさが眩しすぎて、ひねくれてる自分が恥ずかしくて逃げ出したくなるかも」とかまで考えるレベルです。
特に、BUMPの作詞作曲を担当するボーカル・ギターの藤原基央さんの達観した考えと、普通の人には見えない世界観が表現された歌詞をみると、この俗世間とは、少し違う世界の人のように感じてしまうほど、聖人君子(立派な人徳やすぐれた知識・教養を身につけた理想的な人物)に感じます。
もちろん1人の人間をそんなすごい物に見てしまうのは、あまりいいもんじゃないし、宗教のように人を特別視するのって嫌なんですけど、藤原基央さんに関しては、そうなってしまうぐらい「普通の人じゃない感」があるんですよね。
だからこそ、そんな彼らから「不倫問題」という超俗世間な話題が出てきたことには、本当に驚いたとともに、
「この状況でメンバーは、張本人であるチャマさんは、そして何より藤原基央さんは、どういった行動をするのか?」
が非常に気になり、ワクワクする気分も感じていました。
「人畜無害になることが夢」という超人・藤原基央について
前述したとおり藤原基央さんが聖人君子に感じるのは、歌詞とインタビューなどの発言から、伝わってくるので、BUMPファンではない方に、代表的な発言を紹介します。
夢は人畜無害になること
なんの雑誌のインタビューだったかは忘れてしまったのですが(確かアルバム「orbital period」発売時のロッキンオンだったと思う。自身はないです。。)、藤原基央さんの発言で印象的だったのは、
「夢は人畜無害になることで、誰も傷付けない物になりたい。でもこんなに大きな音を出してLiveをやったりしている時点で無理なんですけどね(笑)」
という物だった。
「こんな考えを持つ人が、世の中にはいるのかぁ」と読んだ時は本当に驚いた。
そしてファンの間では有名な、『BUMP LOCKS! 』というラジオで藤原さんが語った、
「心の鍵とかかかったままでもいいから、とにかく生きていて欲しい。おれのわがままかもしれないけど(要約)」
という内容のリスナー達へ向けた言葉は、僕が人生で聞いた、映画なども含めたスピーチの中で一番感動した物になった。(YouTubeとかにあるので未聴の方は、是非)
その心から本音で話そうとするあまり、体が震えながら話していたという部分も含めて。
世界一優しい歌詞を書く人がどう行動するか
そしてその歌詞にはいつも驚かされる。
前にこのブログで特に好きな歌詞のフレーズを紹介した時にも書いたけれど、改めて僕が世界で一番個人に対しての優しい言葉だと思う『流星群』という曲の歌詞フレーズがあります。
例え誰を傷付けても
君は君を守ってほしい
「流星群」 – BUMP OF CHICKEN
「人を傷つけてでもいいから、自分を守ってほしい」って伝えることって、実際にその人が誰かを傷つける可能性を考えると、とても怖い。
なので、この言葉を口にするには相当な覚悟がいる。
そんな覚悟がいる言葉を、大切な誰かのために、迷いのない歌声で言い放つことができる、藤原基央さんの勇気から、本当の優しさを感じる。
これが今でも僕の中の「世界一優しい歌詞」だ。(ちなみに世界一悲しい歌詞はこちら。)
だからこそ、
「世界で一番優しいと感じるほどの歌詞を書く藤原基央さんが、彼にとって一番近い存在であるバンドメンバーの1人が誰かを傷つけてしまった側になった時、どういう行動にでるのか」
が本当に気になっていた。
実際に藤原基央はどう行動したか
ここまで前振りが長くなってしまったがが、実際に藤原基央さん升さん増川さんの三人が、BUMP OF CHICKENのラジオ番組『PONTSUKA !!』で謝罪をしました。
ほぼ藤原基央さんが話していたのですが、箇条書きでまとめると、
・チャマのことを許せない
・メンバーでチャマに厳しく注意をし怒った
・チャマは震えながらも聞いていた
・ファンの方達に本当に申し訳ない
・今回の騒動に関するコメントをずっと読んでいた
・Liveやラジオを通して、バンプを聞いてくれる人達には、傷を持っている人達が多いと実感している。なのにメンバーから人を傷付ける人が出てしまったのは、裏切りであり失望させてしまった。
・解散するしかないと考えた。でもさらに考えていくと、解散するって一番責任から逃げてるように感じた。それでは責任は取れないと思った。
・チャマは活動を休止し、三人で活動していく
という物でした。(また震えているのが伝わってきた)
ラジオを聞く前に、僕が予想をしたのは、
「人を傷付けてしまうのは許せない。だけど傷付けてしまった人の傷にも寄り添いたい」
という気持ちから、
「チャマのことを怒りながらも、自分も色々な人に嫌われる覚悟で、チャマのことをかばってあげるんじゃないか?」
というものだった。
傷付ける代わりに
同じだけ傷付こう
分かち合えるものじゃないのなら
二倍あればいい
「メーデー」 – BUMP OF CHICKEN
しかし実際は、僕の想像を遥かに上回るほど、ファンやバンプの音楽を聞いていくれている人達のことを心底考えていました。
前述した通り、本当にメンバーのことを大切にしていたのを知っているからこそ、改めてそれと同じ熱量でファンのことも大切に思っているという事実に、衝撃をうけた。
今後の藤原基央はじめBUMPの行動から目が離せない
とにかくこれで、チャマさん抜きの三人で活動していくことが決まり、新曲『Flare』も発表され、解散という選択がなかったことにホッとした。
そして目が離せないのはここからです。
あのどこまでも深く潜れる思考を持つ藤原基央さんが、不倫問題という、犯罪ではないだけに、終わり方がわかりずらく、まだ誰もスッキリと解決させたことがない難題に対して、どう行動をとっていくのかが、気になります。
・チャマさんを復帰させるのか、復帰させないのか
・復帰させるとしたらいつどのタイミングで、どういう雰囲気でなのか
・それまでの間にラジオなおでチャマさんについて触れるのか、どう触れるのか
・4人でやっている・やってきたということを重要視していた心境にどんな変化が現れるのか
などなど色々な、選択と決断を強いられて大変だとは思うけれど、その判断を少し楽しみにしてしまう。
そして何よりも、
「藤原基央の歌詞にどんな変化がおきるのか?」
が気になって仕方がないです。(flareは事件前から作っていた曲だったので違う)
不倫ということについて、止められない欲望について、誰かを傷つけてしまうことについて、自分に近い人が誰かを傷つけてしまったことについて、などなど藤原さんの視点で詩にしてほしいことが山盛りなので、不謹慎ながら、楽しみにこれからのBUMP OF CHICKENの活動に注目していきます。
(おまけ)不倫ってそんなに悪い事だったんだ
正直僕は芸能人の不倫問題は、どうでもいい派だったので、今回はさすがにBUMPだったから驚いたけれど、普段は「奥さんと不倫相手の三人で揉めること。外野は全く無関係じゃん。」という感じでした。
それよりも、プライバシー全開なLINEが流出することの方が問題だと考えてますし。
というのも、結構不倫している人は身近でみるし、僕も浮気をしたことが何度かあるので、不倫や浮気という物に対して、ゆる〜く考えていました。
お笑芸人の方たちが、不倫などを笑いに変えているのを見てきた影響もあるかもしれません。
しかし今回の騒動で、あの藤原基央さんがこんなにも辛そうにファンの人達に謝罪をし、大親友であるチャマさんのことを「許せない」と発言し、「大ファンだったのに、もうバンプの音楽聞けない」という人も多数現れたことで、
「不倫ってマジで怒る人はめちゃくちゃ怒るし、人生詰むレベルの行為なんだ」
と改めて感じて、震えました。というどうでも良い話でした。
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