様々な賞を受賞し、話題となったミステリー小説『その女アレックス』。
アレックスという女性が誘拐されてしまうところから物語がはじまるが、予想もしなかった方向に話は進んでいく。読めば確実に衝撃をうける、傑作小説だ。
僕はもう無我夢中で朝7時まで寝ないで読んでしまった。正月休みが一生続いて欲しいと思うぐらいクタクタだ。
人は自分以外の誰かの行動理由を簡単には理解できない。と感じる作品だった。
理解したと思っても、それはだいたい一般論に当てはめただけの浅い想像だったりする。『その女アレックス』ではそのことを思い知らされてしまう。なぜなら、ある登場人物に対する自分が感じた印象が、どんどん変わっていくのを体験させられるからだ。
目の前で起きていることを見ただけでは、その出来事の本質は全くわからない。
よく「人を見た目で判断するな」と言うが、しっかりと人の行動を見ても実際のところは何もわからないのかもしれない。
どんでん返しに次ぐどんでん返し祭りで、そのどれもがすごい衝撃を持っているジェットコースターのような小説なんだけど、自分の内面もジェットコースター的に揺れ動く。同情して、ムカついて、怖くなって、悲しくなって、応援したくなって、何が正しいのかわからなくなっていく。
しかし最後の一行までずっと読んでいて楽しい小説だった。
読み始めると止まらなくなる小説なので、未見の方は時間がある週末の夜なんかにゆっくりと読み始めてみて欲しいです。
ちなみに僕はこの『その女アレックス』があまりに有名なため、これから読み始めてしまったですが、実は『悲しみのイレーヌ』という前作があるので、未見の方は『悲しみのイレーヌ』から読み始めるのがおすすめです。
『その女アレックス』から読み始めても何も問題ないんですけど、『悲しみのイレーヌ』のネタバレだらけなので、きっとすごく面白いだろう『悲しみのイレーヌ』を読む気になれなくなってしまって困っています。
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