天才は諦めた。だけどその瞬間、醜い感情は一気に自分の味方になった。
その感情を燃料に変換させる技を使うことで、努力と言うしんどい行動が簡単にできるようになったから。
南海キャンディーズの山ちゃんこと山里亮太さんが書いた『天才はあきらめた 』を読んだのですが、誰が読んでもきっと面白いだろうなぁと感じると同時に、絶対に誰が読んでもためになる本だと思ったので紹介したいです。
誰が読んでも面白くて、ためになると言い切れるのは、
- 実用的な成功法則を教えてくれるビジネス書的な楽しさ
- 特殊な仕事の裏側が覗ける楽しさ
- 成長していく主人公をみる漫画的楽しさ
と3つも超楽しい要素があるからです。
特に1つ目がそこらへんのビジネス書を読むよりも何倍を得るものが多いレベルなので、成功法則を学びたい人は読むべき本だなぁと思います。
1.具体的に成功する方法を教えてくれる実用書としてものすごい
これが最大の魅力なのですが、この『天才はあきらめた』で語られる、お笑い芸人になる前からの山里さんの物語の中に、できるだけ盗みたい考え方や努力の姿勢がものすごい量書いてあります。
今持っているビジネス書は捨てて、この山里さんのやり方をひたすらマネするだけで、大抵のことは成功できると言い切ってしまってもいいんじゃないかってレベル。
なぜなら、「成功するためには行動するしかない」というシンプルな答えを山里さんの過去から現在までの話の中でものすごい説得力で教えてくれます。
どうすれば自分は頑張れるのかを考える
逃げさせようとしてくる甘いささやき「焦ったら逆に失敗するから」。この言葉をどう無視できるか。そしてどう行動するか?
これが僕の課題だった。
↑このように山里さんは常に「どうしたら成功できるか?」だけではなく 「どうしたら自分は頑張り続けられるのか?」を常に考えています。
『 夢をかなえるゾウ』の著者である水野敬也さんの『四つ話のクローバー』という本で、
「成功する唯一の秘訣は頑張ること。能力の差こそあれど頑張らないで成功した人はいない。だからどうしたら頑張れるのかを考えるんだ。」
というような話があります。
それを実践し続けて今の位置に行ったのが山里さんです。
頑張れるようになる方法
この本で山里さんが今の位置に行くまでの物語を読んでいると、「頑張り続ける」ためには二つのことが必要だとわかりました。
それは、
・自分が頑張れなくなるタイミングを理解しておくこと
・そして事前にその対策をうっておくこと
この二つです。
例えば山里さんは誰かにバカにされたり、同期の芸人が自分より遥かに活躍しているのを見ると腐って挫折しそうになる自分の習性を理解しているので、
腐るのではなく全てをパワーに変換する。何か嫌なことがあったらこの「変換」を真っ先に頭に置く。
それをひたすらやっているうちにイライラも消えて、かつこんな状況を自分のために仕えた俺ってすごい!と張りぼての自信貯金も貯まる。
というように、腐りそうになった時対策も考えてあります。
うまくいきだすと、天狗になって努力をおろそかにしがちな自分に対してはこんな対処法を↓
まずは天狗期間にサボっていた時間の再確認と、同い年位の活躍している人たちの成し遂げたことの確認、そして信頼している人からの落胆の声、これを集めるとその鼻は折ることができた。
しかし、意図的にそれらを集めないのが天狗状態。なので僕は目立つところにこの要素を記したメモを置き、読み上げた。そうやって早く自分の鼻を折れた時はそれだけ褒めてあげて作業を開始していた。
そして都合よく行動しない言い訳を見つけて動けなくなる自分を理解して、
焦ることがだめでも、反対に行動しないと言う選択肢を取る事は1番だめなことだ。
焦りをパワーに変えて、どう行動に移すかをめちゃくちゃ考える。
どうしたら逃げなくなるのだろう。それは大げさな位引き離される恐怖を想像して、焦る事だった。
僕は明日積極的に行動できるように、自分をたくさん脅迫した。焦りを積極的に動くためのエンジンにするために。
などを実践したりします。
対策と自分を動かすための工夫がとにかくすごいです。この技をどんどん盗んでいきたいと思わせます。
山里さんのストイックすぎる努力量は真似できる自信がないですけど…
とりあえず自分の好きな芸人さんのネタをひたすら書き起こすことをやってみた。
例えば当時、大好きだった爆笑問題さんをテレビで見て、その喋りを必死に書いた。
ダウンタウンさんの番組で自分の笑ったところで止めて「今なんで面白いと思ったか」をノートに書いた。
面白い人のエピソードを真似してやってみたり、ある先輩が辞書を読んでいると聞いたので、辞書を読んで言葉すごく得してみたりもした。
2.主人公が段々とレベル上げをし強敵を倒していく少年漫画的なワクワク
この幸福感は、天才しか味わえないと思っていた。楽しいという感覚をネタに織り込む、それが自分でもできたというのが本当に嬉しかった。
嫌なヤツ・挫折・ライバルとの戦いを、山里さんが自分で「姑息」とよぶ色々な作戦と想像を絶する努力で、なんとか乗り越え前に進んでいきます。
その姿に感情移入して、「早くそのムカつくやつ倒してくれー!!」とか「強い仲間みつけたー!!」とか応援したくなって、まるで冒険物の少年漫画を読んでいるみたいにワクワクしました。
山里さんを見下し、嫌がらせのようなことをしてくる吉本の社員にM-1準優勝後にしっかり仕返しをするのも最高だし、すでに相方がいた、しずちゃんをどうしても自分の相方にしたいために、作戦を練ってしずちゃんに会いに行くところなんて本当に楽しいしストイックさに驚きます。
とにかく静ちゃんの情報を集めた。好きなお笑い、好きな漫画、好きな番組、それらを全てチェックして情報を頭の中に叩き込んだ。
それをどう使うか?
次に会えたときに自然と話題に出す。向こうがそれを好きだと言うことをは知らないていではなす。それによって、僕のことを「お笑いのセンスが合う人」と思い込ませる。
また温厚で優しかった前の相方が、横暴な山里さんにとうとうブチギレて路上に止まっている自転車を次々に投げ飛ばし始めた時に、それを見ていた警察がなぜか止めに入ってこなかった理由がめちゃくちゃ読み応えあって最高でした。
3.お笑い芸人という特殊な仕事の裏側が覗ける面白さ
ある噂を聞いた。「インディーズでお笑いのライブをやっている人たちが、僕らのことを馬鹿にしまくっている」と。
そのバカにしていたのが「千鳥」と「笑い飯」という2組だった。
吉本興業のお笑い養成所「NSC」中の話や人間関係から、テレビや賞レースの裏側、また千鳥・キングコング・ブラックマヨネーズなどの色々な芸人さんのデビュー前の話など、僕たちには知ることができない話をおしみなく出してくれるので嬉しいです。
僕は、その時一生懸命にキングコングに引き離されていることを正当化できる理由を探していた。ネタの感じが誰だに似ているからいつか彼らはダメになるとか、自分たちがボケ方が全く違うから競争する必要は無いとかを一生懸命考えて思い込もうとしていた。
そしてテレビ番組の話も策略家の山里さんの目線で語られると本当に面白かったです。
「ガチンコ」という当時放送されていたTOKIOの番組に出れることになった時には、番組の雰囲気に合わせて(揉め事が起きるのが見所の番組だった)相方とモメる練習をしたり、
明日スタッフさんがネタ合わせのシーンを撮ると聞いていたので、僕は大阪に帰ってすぐ明日の「ネタ合わせのネタ合わせ」を富男君と始めた。つまりネタの練習ではなくて、どう映るかの作戦だった。
緊張のピークであるM-1の決勝戦の本番でも一つ確認作業をいれたりと、山里さんのその時その時の考えが聞けるのところも読みがいがあります。
1組ずつ呼ばれて登場するが、ここで1つ決めていたことがある。登場して立ち位置に着いたら静ちゃんに何かポーズをとってもらおうと。
何故かと言うとそのポーズに対するお客さんの反応で、静ちゃんはもちろん、自分たちが受け入れられるかを確認しようと思っていたからだ。
おわりに
以上の超楽しい3つの要素が一冊に入っていて、書いているのが山里さんなので面白くないわけがないです。
オードリーの若林さんが書いたあとがきまで完璧に面白いのでこれは読んで見てもいいんじゃないでしょうか。文庫本だから安いし。
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